
オランダの大学に行くと決めたあと、最初に迷うのが「ビザ」という言葉です。
他の国のように、大使館でビザを取ってから出発するものだと思っている方が多くいます。
先に答えを書きます。
要るのは滞在許可の1本です。
留学を経験した立場から、公式の情報だけで整理します。
当たったのはオランダ移民局(IND)の公表ページです。
公表されていない項目は、公表されていないとそのまま書きます。
日本円への換算はしません。
- ✓ 日本はMVV(入国査証)の免除国で、滞在許可だけを申請する
- ✓ 申請の手数料は254ユーロ(2026年1月1日から12月31日まで)
- ✓ 申請するのは本人ではなく、認定を受けた学校
- ✓ 生活費の基準額は大学とhboで月1,130.77ユーロ、mboで月928.58ユーロ
- ✓ 決定までの期間は60日で、探索年は90日
- ✓ 許可を保つ条件は、毎学年の単位の50%以上
オランダ留学のビザの正体は滞在許可
オランダの制度では、長期の滞在に必要なものが2階建てになっています。
2つの許可の役割
1階部分がMVVという入国のための査証です。
2階部分が、入国したあとに国内で暮らすための滞在許可です。
日本国籍はMVVが免除されます。
つまり、日本から出発する留学生が用意するのは2階部分の1本だけです。
| 許可の種類 | 役割 | 日本国籍の場合 |
|---|---|---|
| MVV | オランダへ入るための査証 | 免除 |
| 滞在許可 | オランダで学び暮らすための許可 | 必要 |
呼び名の違いに惑わされない読み方
学校からの案内では、この2つをまとめて「student visa」と呼ぶことがあります。
移民局の制度上の区分は、あくまでMVVと滞在許可の2つです。
学校の書類に「visa」とあっても、日本国籍なら滞在許可の手続きを指していると読み替えてください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「MVV exemptions」
オランダ留学のビザで日本がMVV免除になる根拠
免除される国は、移民局のページに国名で並んでいます。
名前が挙がっている国
原文の並びは「Australia, Canada, Japan, Monaco, New Zealand, Vatican City, United Kingdom, United States, South Korea, Switzerland」とEU・EEA加盟国です。
日本はこの10か国のなかに入っています。
免除は国籍で決まり、行き先の学校では変わりません。
| 区分 | 原文の表記 |
|---|---|
| アジア | Japan/South Korea |
| 北米 | Canada/United States |
| オセアニア | Australia/New Zealand |
| ヨーロッパ | Monaco/Vatican City/United Kingdom/Switzerland |
| 加盟国 | EU・EEAの加盟国 |
表に無い国籍の方は、出発の前にMVVの手続きが要ります。
日本と二重国籍の場合は、どちらの旅券で入国するかで扱いが変わります。
免除で消える手間
MVVが要る国籍の方は、大使館や領事館でビザのシールを貼る手続きが必要です。
日本国籍の留学生には、この工程がありません。
出発までの日程を組むときは、この1工程ぶんの余裕が生まれると考えてください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「MVV exemptions」
オランダ留学のビザを申請するのは学校
ここがオランダの制度でいちばん独特な部分です。
認定スポンサーという仕組み
滞在許可の申請書を移民局へ出すのは、本人ではなく学校です。
この学校は、移民局の認定を受けたスポンサーである必要があります。
認定の無い学校では滞在許可の申請自体ができません。
出願先を選ぶ段階で、認定スポンサーかどうかを学校に確かめておくのが安全です。
手数料の払い先
申請を学校が出すので、手数料も学校を経由して移民局へ渡ります。
学生が学校へ払い、学校が移民局へ払うという流れです。
請求の時期と方法は学校ごとに違うため、合格通知が届いたら国際課に聞いてください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」
オランダ留学のビザの手数料は254ユーロ
金額は移民局の料金ページに1本で載っています。
同じ額になる3つの場面
初めての申請で254ユーロです。
滞在目的の変更でも254ユーロになります。
延長の申請も同じ254ユーロです。
| 申請の種類 | 手数料 | 適用の期間 |
|---|---|---|
| 学業目的の初回申請 | 254ユーロ | 2026年1月1日から12月31日 |
| 滞在目的の変更 | 254ユーロ | 2026年1月1日から12月31日 |
| 滞在許可の延長 | 254ユーロ | 2026年1月1日から12月31日 |
| 卒業後の探索年 | 254ユーロ | 2026年1月1日から12月31日 |
毎年1月1日に変わる仕組み
移民局の手数料は、毎年1月1日に改定されます。
254ユーロは2026年12月31日までの額です。
2027年の入学を考えている方は、年明けに料金ページを見直してください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Fees: costs of an application」
オランダ留学のビザに要る生活費は月1,130.77ユーロ
滞在許可には、生活していけるお金があることを示す条件が付きます。
学校の段階で変わる基準額
大学とhbo(高等職業教育)の場合は月1,130.77ユーロです。
中等教育とmbo(中等職業教育)の場合は月928.58ユーロになります。
差額は月202.19ユーロです。
| 学校の段階 | 1か月あたり | 12か月ぶん |
|---|---|---|
| 大学・hbo | 1,130.77ユーロ | 13,569.24ユーロ |
| 中等教育・mbo | 928.58ユーロ | 11,142.96ユーロ |
この額が意味するもの
この基準額は、学費とは別に用意するお金です。
自分で学費と滞在費を賄う場合に当てはめられます。
適用の期間は2026年1月1日から12月31日までです。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Required amounts income requirements」
オランダ留学のビザの決定期間は60日
移民局が決定を出すまでの期間には上限が決められています。
学業の申請の場合
学生の滞在許可では60日です。
この日数は、書類がそろって申請が受理されてからの数え方になります。
逆算すると入学の2か月前が最後の線です。
探索年の申請の場合
卒業後の探索年では90日になります。
同じ移民局の手続きでも、目的によって30日の差が出ます。
| 申請の種類 | 決定までの期間 | 申請する人 |
|---|---|---|
| 学業目的の滞在許可 | 60日 | 認定を受けた学校 |
| 卒業後の探索年 | 90日 | 本人 |
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Residence permit for orientation year」
オランダ留学のビザの有効期間は学業期間プラス3か月
滞在許可の有効期間は、学ぶ期間に合わせて決まります。
3か月の上乗せ
許可は、学業の期間より3か月長く有効です。
卒業した翌日に不法滞在にならないための余白だと考えてください。
帰国便はこの3か月のうちに取ります。
上限は5年
1回の許可で認められる期間は、最長で5年です。
学士課程が3年、修士課程が1年から2年という組み方なら、この枠に収まります。
| 学ぶ期間 | 許可の有効期間 | 上限 |
|---|---|---|
| 1年の修士課程 | 1年3か月 | 5年 |
| 3年の学士課程 | 3年3か月 | 5年 |
| 4年の学士課程 | 4年3か月 | 5年 |
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」
オランダ留学のビザを保つ条件は単位の50%
許可は取って終わりではありません。
学業の進み方の基準
条件は、各学年で単位の50%以上を取ることです。
年間60単位の課程なら、30単位が最低の線になります。
下回ると滞在許可が取り消されます。
学校が報告する仕組み
進み方を移民局へ伝えるのは、認定スポンサーである学校です。
本人が毎年書類を出すのではなく、学校側に報告の義務があります。
体調を崩して単位が足りなくなりそうなときは、早い段階で学校の学生課へ相談してください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」
オランダ留学のビザで働ける時間は週16時間
学生の就労には、はっきりした枠が決められています。
2つの働き方
1つ目が、1週間に16時間までという働き方です。
2つ目が、6月・7月・8月にフルタイムで働くという選び方になります。
この2つは併用できません。
どちらの場合も、雇う側が就労許可を取る必要があります。
| 働き方 | 時間の枠 | 雇う側の手続き |
|---|---|---|
| 通年のアルバイト | 週16時間まで | 就労許可が必要 |
| 夏季のフルタイム | 6月・7月・8月のみ | 就労許可が必要 |
| 自営業 | 枠の定めなし | 就労許可は不要 |
自営という例外
自分で事業として働く場合は、時間の枠がありません。
ただし学業の条件を満たしていることが前提です。
単位が50%を切れば、働き方にかかわらず許可を失います。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」
オランダ留学のビザの費用を1年ぶんで積み上げた表
公表されている数字だけで、手続きに関わる金額を並べます。
手続きと生活費の合計
大学に1年通う前提で積み上げます。
| 項目 | 金額 | 出どころ |
|---|---|---|
| 滞在許可の手数料 | 254ユーロ | 移民局の料金ページ |
| 生活費の基準額(12か月) | 13,569.24ユーロ | 月1,130.77ユーロの12倍 |
| 手続きに関わる合計 | 13,823.24ユーロ | 上の2つの合計 |
| 学費 | 学校ごとに異なる | 移民局は定めていない |
移民局が金額を示すのは手数料と生活費の2つだけです。
この表の使い方
学費は学校と課程で大きく変わります。
この表に学校の学費を1行足せば、1年ぶんの必要額になります。
そのままの形で学校の国際課へ送り、抜けが無いか確かめてください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Fees: costs of an application」
オランダ留学のビザから続く卒業後の探索年
卒業したあとに仕事を探すための許可が別に用意されています。
1年という長さ
探索年の滞在許可は1年間有効です。
申請できるのは、課程を終えてから3年のうちです。
卒業後すぐに決めなくても3年の猶予があります。
働くときの扱い
この許可では、時間の枠なく働けます。
雇う側が就労許可を取る必要もありません。
学生の滞在許可と比べると、就労の制限がはずれる形です。
| 項目 | 学生の滞在許可 | 探索年の滞在許可 |
|---|---|---|
| 有効期間 | 学業の期間+3か月 | 1年 |
| 手数料 | 254ユーロ | 254ユーロ |
| 決定までの期間 | 60日 | 90日 |
| 就労の枠 | 週16時間または夏季のみ | 枠なし |
| 雇う側の就労許可 | 必要 | 不要 |
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Residence permit for orientation year」
オランダ留学のビザと短期の滞在の境目
数週間の語学研修なら、滞在許可が要らない場合があります。
滞在許可が要る長さ
移民局の滞在許可は、長期に暮らす人のための制度です。
短い滞在は、シェンゲン圏の短期滞在の枠で扱われます。
国ごとに何日までを短期と呼ぶかは違うため、先に日数の上限を確かめるのが順番です。
この境目は国ごとに数え方が違います。短期留学とは何日までを指すのかを5か国の公式サイトで数えた記事で、上限の並びを確かめてください。↓

他の国と比べたときの軽さ
入国前に大使館へ行く工程が無いのは、日本国籍にとって大きな違いです。
ビザのシールを貼るために大使館へ出向く国も多くあります。
2種類のビザを使い分ける国と比べると、手数が少ない制度です。アメリカ留学のビザがF-1とM-1の2種類に分かれる記事と読み比べると、その差が分かります。↓

費用の面では、査証の手数料が読者にとって比べやすい指標になります。フィリピン留学のビザの手数料を入国管理局の公式ページで数えた記事と並べると、金額の幅が見えます。↓

オランダ留学のビザの手続きを日程に落とした並び
公表されている日数だけで、逆算の順番を組みます。
入学までの逆算
決定までの60日が、動かせない土台になります。
学校が申請を出す準備の期間は、公表されていません。
読める日数は60日の1つだけです。
| 時期 | すること | 公表されている日数 |
|---|---|---|
| 出願前 | 認定スポンサーかどうかを学校に確認 | 定めなし |
| 合格後 | 学校が滞在許可を申請 | 定めなし |
| 申請の受理後 | 移民局が決定 | 60日 |
| 入国後 | 居住地の登録と許可証の受け取り | 定めなし |
余裕の取り方
60日は上限であって、最短の日数ではありません。
学校側の準備が加わるため、入学の3か月前には動き出すのが現実的です。
この3か月は公式の定めではなく、60日から逆算した目安として読んでください。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」
【調べてわかったこと】オランダ留学のビザの資料で書きぶりが食い違うところ
同じ手続きでも、呼び方と主語がそろっていませんでした。
呼び名のずれ
移民局の区分はMVVと滞在許可の2つです。
学校の案内では、この2つをまとめて「student visa」と1語で呼ぶことがあります。
同じ言葉が別のものを指しています。
主語のずれ
移民局のページでは、申請するのは認定スポンサーの学校です。
留学の案内では「あなたが申請します」という書き方も見かけます。
手続きの主語がどちらなのかで、準備するものも問い合わせ先も変わります。
| 論点 | 移民局の区分 | 読み替え方 |
|---|---|---|
| ビザという言葉 | MVVと滞在許可は別物 | 日本国籍なら滞在許可だけ |
| 申請の主語 | 認定スポンサーの学校 | 問い合わせ先は学校の国際課 |
| 手数料の払い先 | 学校を経由して移民局へ | 請求の時期は学校ごとに確認 |
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Study」
【調べてわかったこと】オランダ留学のビザの資料に無かったこと
公表されていない項目は、公表されていないとそのまま示します。
金額として出せなかったもの
学費の目安は、移民局が定める種類の数字ではありません。
健康保険の保険料も、移民局の料金ページには載っていません。
住まいの家賃の目安も、公表の対象外です。
日数として出せなかったもの
学校が申請書を用意するまでの日数は、どのページにもありませんでした。
入国後に許可証を受け取るまでの日数も、公表されていません。
審査に落ちる基準も公表されていません。
この3つは、学校の国際課に直接聞いて埋めるしかない部分です。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Fees: costs of an application」
オランダ留学のビザについてよくある質問
日本から大使館へ行く必要はありますか?
日本国籍はMVVの免除国に入っています。
入国前にビザのシールを貼る工程はありません。
手数料はいくらですか?
254ユーロです。
初回も延長も探索年も同じ額になります。
生活費はいくら示せばよいですか?
大学とhboなら月1,130.77ユーロです。
中等教育とmboなら月928.58ユーロになります。
許可が下りるまで何日かかりますか?
学業の申請で60日です。
これは上限の日数で、最短の日数は公表されていません。
アルバイトはできますか?
週16時間まで、または6月から8月のフルタイムのどちらかです。
雇う側が就労許可を取ることが前提になります。
探索年はいつまでに申請しますか?
課程を終えてから3年のうちです。
いったん帰国してから申請するという組み方もできます。
滞在許可は何年まで続きますか?
1回の許可の上限は5年です。
学ぶ期間がそれより長くなる場合は、延長の申請で254ユーロがもう一度かかります。
卒業したらすぐ帰国ですか?
許可は学業の期間より3か月長く有効です。
仕事を探すなら、1年間の探索年という別の許可があります。
この段落の一次ソース:オランダ移民局(IND)「Required amounts income requirements」
オランダ留学のビザのこの記事を書いた人について
書き手の立場
留学を経験した立場から、手続きの側だけを整理しています。
情報源
この記事で当たったのは、オランダ移民局の公表ページだけです。
留学の斡旋をしている事業者の説明は、一次ソースとして使っていません。
報酬の有無
特定の学校や事業者からの報酬はありません。
オランダ留学のビザのまとめ|向いている人・向いていない人
- ✓ 向いている人:出発前に大使館へ行く工程を省きたい方
- ✓ 向いている人:学校が手続きを代わりに進める仕組みを信頼できる方
- ✓ 向いている人:生活費の基準額を月単位で用意できる方
- ✓ 向いていない人:働いて学費を賄う計画の方(週16時間または夏季のみ)
- ✓ 向いていない人:入学まで2か月を切っていて、60日の決定期間を待てない方
- ✓ 向いていない人:単位の50%という条件を毎年満たす自信が持てない方
オランダ留学のビザで押さえる数字は5つです。
254ユーロ、1,130.77ユーロ、60日、3か月、50%。
この5つが日程と予算の骨になります。
学校が決まったら、この記事の表をそのまま国際課に送って、認定スポンサーかどうかを確かめてください。
情報確認日:2026年9月26日
参考文献
- オランダ移民局(IND)「MVV exemptions」(オランダ移民局)
- オランダ移民局(IND)「Fees: costs of an application」(オランダ移民局)
- オランダ移民局(IND)「Required amounts income requirements」(オランダ移民局)
- オランダ移民局(IND)「Student residence permit for university or higher professional education」(オランダ移民局)
- オランダ移民局(IND)「Residence permit for orientation year」(オランダ移民局)
- オランダ移民局(IND)「Study」(オランダ移民局)
免責:本記事はオランダ政府機関が公開している情報を整理したものです。
滞在許可の発給と入国の可否はオランダ政府の判断によります。
条件・手数料・要件は変更されることがありますので、最終的な判断の前に必ず公式サイトでご確認ください。
あわせて読みたい記事です。フィリピン留学のビザが9(F)の1本にまとまる記事を読むと、申請の主語が本人になる国との違いが分かります。↓



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