
「ドイツ留学は学費が無料だと聞いたけれど、本当なのでしょうか」。
「日本人はビザが要らないという話も見かけますが、そのまま行ってよいのでしょうか」。
先に答えます。
日本国籍のパスポートがあれば、ドイツへの入国そのものにビザは要りません。
ただし滞在が90日を超えるなら、現地で滞在許可を取る必要があります。
学費についても先に答えます。州立大学の学部課程は、原則として授業料がありません。
ただし例外を設けている州が公表されています。
留学を経験した立場から、公式の情報だけで整理します。
ドイツ外務省、在日ドイツ大使館、ドイツ学術交流会(DAAD)が公開しているページに当たりました。
日本円への換算は申請日の為替で変わるため、この記事では行いません。
- ✓ 日本国籍の有効なパスポートがあれば、ドイツ入国にビザは不要と公表されています
- ✓ 90日を超えて滞在するなら、現地の外国人局で滞在許可の申請が要ります
- ✓ 資金証明の基準は2025年1月から月992ユーロ、年11,904ユーロです
- ✓ 州立大学の学部課程は原則として授業料がありません
- ✓ バーデン=ヴュルテンベルク州はEU域外の学生に1学期1,500ユーロを課しています
- ✓ セメスター寄与金は70〜430ユーロで、全学生が毎学期支払います
- ✓ 生活費の目安は月900〜1,200ユーロ、2023年調査の実支出平均は月876ユーロです
- ✓ 学生ビザの審査日数は約25日と案内されています
ドイツ留学にビザは必要?日本国籍は「ビザなし入国+滞在許可」が原則
ドイツ留学で日本人がビザ免除になる根拠
在日ドイツ大使館・総領事館が公開しているページに、はっきり書かれています。
有効な日本国パスポートを持つ日本人は、空港トランジットと90日以内の観光・出張についてビザが不要です。
つまり、入国の時点ではビザという書類を持っていなくても構わない、という整理です。
DAADのページでは、日本はオーストラリア・カナダ・英国・イスラエル・ニュージーランド・韓国・米国と同じ扱いに並んでいます。
アンドラ・ブラジル・エルサルバドル・ホンジュラス・モナコ・サンマリノの国籍者も、就労を予定しないなら同じ枠に入ります。
ドイツ留学で90日を超えるときに必要になるもの
90日を超えて滞在したい場合は、滞在許可の取得が必要です。
留学は普通90日を超えますから、実務上は「滞在許可を取りに行く」がゴールになります。
DAADのページでは、申請先は居住地を管轄する外国人局(Ausländerbehörde/Ausländeramt)です。
住まいが決まったら住民登録の窓口(Einwohnermeldeamt)へ行き、登録証明を受け取る流れも書かれています。
この段落の一次ソース:在日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館「ビザ・各種申請手続き」
ドイツ留学のビザ申請の流れ|審査日数は約25日
ドイツ留学のビザが外国人局へ回される仕組み
ドイツ外務省のFAQに、手続きの順番が書かれています。
まず在外公館へ申請し、大学から入学を認められたことを示す書類を提出します。
在外公館はその申請を、大学のある町の外国人局へ意見照会のために転送する流れです。
外国人局が承認するまで、在外公館は入国用のビザを発給できないと明記されています。
つまり窓口はドイツ国内の役所であって、大使館ではない、という構造です。
ドイツ留学のビザ審査にかかる日数
学生ビザの申請は、およそ25日で処理されます。
ドイツの学術団体の奨学金を持つ研究者は、数日で発給されることもある扱いです。
それ以外の申請は、およそ1か月から3か月かかることがあるとされています。
DAADの注意書きは「ビザの発給に数か月かかることもあるので、早めに申請すること」です。
あわせて、観光ビザを後から学生ビザへ切り替えることはできない、とも書かれています。
ドイツ留学の入学許可がもう手元にある場合
DAADのページでは、入学許可を受け取っている人は学生ビザを申請すると案内されています。
博士課程についても、通常は滞在法16b条に基づく学生ビザを申請します。
大学や研究機関に雇用され、受入協定(hosting agreement)を結ぶ場合は、滞在法18d条の研究ビザも選べる形です。
この2つは、どちらかを選べる形として説明されています。
ドイツ留学の入学許可をまだ待っている場合
入学許可を待っている人や、入学試験をこれから受ける人には、入学準備ビザが案内されています。
入学準備ビザの有効期間は最長9か月です。
この期間中に、大学へ出願したり、語学コースやStudienkollegに通ったりできるとされています。
なお短期滞在のシェンゲンビザは3か月までで、延長できないと明記されています。
長期の留学に使うのはナショナルビザ(national visa)のほうです。
この段落の一次ソース:ドイツ学術交流会(DAAD)「Visas」
同じヨーロッパでも、日本で査証を取ってから入る国があります。比べるならスペイン留学にビザは要るかが分かりやすいです。↓

ドイツ留学の資金証明は月992ユーロ・年11,904ユーロ
ドイツ留学で示す金額の根拠
DAADの費用ページに、2025年1月1日からの基準として月992ユーロという数字が出ています。
Study in Germanyのページでは、1年分として11,904ユーロという書き方です。
この金額は「Regelbedarf」と呼ばれ、学生が1年間ドイツで暮らすのに必要と見積もられた額とされています。
DAADの要件ページでも、2025年1月以降は月992ユーロ・年11,904ユーロです。
提出書類の名前はドイツ語でFinanzierungsnachweis、日本語にすると資金証明です。
ドイツ留学で資金証明として認められる5つの形
ドイツ外務省のFAQに、認められる形が並べて書かれています。
- ✓ 両親の収入と資産の状況を示す
- ✓ 滞在法66条から68条に基づく保証書(Verpflichtungserklärung)を、十分な資産か収入のある人が出す
- ✓ ドイツ国内のブロック口座(Sperrkonto)へ入金する
- ✓ ドイツの銀行に、毎年更新できる銀行保証を預ける
- ✓ 公的資金の奨学金、ドイツで認められた団体の奨学金、母国の公的資金による奨学金を受ける
奨学金が理由になるのは、外務省・DAAD・その他のドイツの奨学団体が大学との橋渡しをした場合です。
DAADの要件ページでは、これに銀行保証を加えた4つの形で説明されています。
この段落の一次ソース:Study in Germany(DAAD運営)「Proof of financing」
資金の基準を月額で示す形は、イタリアも同じです。くわしくはイタリア留学のビザは何が要るかで公式ページから数えています。↓

ドイツ留学のブロック口座(Sperrkonto)の開き方と閉じ方
ドイツ留学のブロック口座で決まっていること
ドイツ外務省のページに、仕組みがまとまっています。
口座は銀行または同種の提供者で開き、どこで開くかは自由です。
多くの場合はオンラインで開設できるとされています。
入金すべき金額は滞在目的によって変わり、基準はドイツ人学生が受け取る援助の上限額です。
口座は原則として1年分で開かれ、滞在予定がそれより短い場合はその期間になります。
毎月引き出せる額には上限があり、初月にまとめて引き出せない設計だと説明されています。
ドイツ留学のブロック口座を閉じるときの条件
解約には、口座の受益者(Begünstigter)の同意が必要です。
受益者は、ビザ発給前なら申請した在外公館、入国後なら管轄の外国人局です。
受益者はあなたのお金を引き出すことはできない、と明記されています。
ビザが却下された場合は、その却下通知だけでブロックを解除できる扱いです。
申請しなかった場合、取り下げた場合、発給されたが使わなかった場合も、在外公館が領事証明を出せます。
ドイツ外務省は、ブロック口座の提供業者について推薦も保証もしないと明言しています。
2022年半ばまで掲載していた提供業者の一覧は削除済みで、業者との取引関係は過去も現在もありません。
ドイツ留学のブロック口座にかかる手数料
口座開設の手数料は、70〜150ユーロの間です。
申請書類とパスポートの写しは、母国のドイツ在外公館で認証してから銀行へ出す必要があるとされています。
入金したお金は、入国するまで引き出せません。
到着後にEC(デビット)カードが発行され、そこから引き出す形になります。
この段落の一次ソース:ドイツ外務省「Opening and closing a blocked bank account (Sperrkonto)」
ドイツ留学の学費|州立大学は原則無料、例外は2つの州だけ
ドイツ留学で授業料がかからない範囲
ドイツの高等教育機関の大半は、州が財政を負担しています。
そのため州立の高等教育機関では、学士課程と大半の修士課程で授業料が生じません。
これは国籍を問わない書き方になっています。
ドイツ留学で授業料が発生する州
バーデン=ヴュルテンベルク州は、EU域外の国籍者に1学期あたり1,500ユーロの授業料を課しています。
対象は学士・修士・ディプロム・国家試験の課程で、博士課程には適用されません。
バイエルン州でも、EU・EEA域外からの留学生に授業料がかかる場合があります。
バイエルンについては、金額が1学期あたり数千ユーロに達することもある水準です。
徴収するかどうかと金額は、バイエルンの各高等教育機関が自分で決めます。
つまりバイエルンは「州として一律いくら」という数字が公表されていません。
志望する課程ごとに個別に調べるように、という案内になっています。
ドイツ留学で全員が払うセメスター寄与金とは
すべての高等教育機関のすべての学生が、セメスター寄与金を払います。
これは授業料とは別のもので、学生サービスと学生自治会(AStA)への拠出です。
多くの機関では、公共交通の定期券(セメスターチケット)が含まれるか、割引券を買えるとされています。
有効範囲は、都市単位・地域単位・ドイツ全土と、場所によってまちまちです。
金額は機関によって違い、70〜430ユーロの間だとされています。
支払うタイミングは、登録時と毎学期の開始前です。
ドイツ留学の寄与金の内訳(ケルン大学2024/25年冬学期の公表例)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| セメスターチケット | 176.40ユーロ |
| 学生サービスへの拠出 | 110.00ユーロ |
| 学生自治会(AStA) | 11.00ユーロ |
| 学生スポーツ | 1.75ユーロ |
| 学部・学科の学生組織 | 2.60ユーロ |
| 事務手数料 | 2.50ユーロ |
| 合計 | 304.25ユーロ |
合計304.25ユーロのうち、半分以上が交通定期券だという内訳になっています。
この表はDAADが例として挙げているもので、他の大学の金額ではありません。
ドイツ留学の生活費は月900〜1,200ユーロ、実支出の平均は月876ユーロ
ドイツ留学で必要とされる生活費の幅
留学先によって、月900〜1,200ユーロが必要になります。
その大部分を占めるのは家賃で、住む場所によって差が大きい項目です。
この金額には交通費、食費、衣類、学習教材、健康保険、電話、インターネット、放送受信料、余暇の費用が含まれます。
Study in Germanyのページでも、およそ月1,000ユーロという同じ幅で案内されています。
ドイツの生活費はEU平均をやや上回るが、デンマーク・ルクセンブルク・スイスよりは大きく低い、という書き方です。
ドイツ留学の生活費の内訳(2023年の社会調査)
ドイツ高等教育研究センター(DZHW)の第22回社会調査(2023年)の数字が、DAADのページに載っています。
学生の支出合計は、平均で月876ユーロとされています。
| 費目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃(光熱費込み) | 410ユーロ |
| 食費 | 198ユーロ |
| その他の支出 | 144ユーロ |
| 健康保険・診察料・薬代 | 100ユーロ |
| 交通費(自動車・公共交通) | 89ユーロ |
| 授業料 | 76ユーロ |
| 余暇・文化・スポーツ | 65ユーロ |
| 衣類 | 46ユーロ |
| セメスター寄与金 | 36ユーロ |
| 電話・インターネット・受信料・郵送 | 32ユーロ |
| 学習教材(書籍など) | 31ユーロ |
| 合計 | 876ユーロ |
ここで注目したいのは、実支出の平均876ユーロが、ビザで求められる月992ユーロより低いことです。
DAADのページも、この2つの数字を並べて書いています。
つまり資金証明の基準は、平均的な学生の実支出より少し高めに置かれている、という関係になります。
この段落の一次ソース:Study in Germany(DAAD運営)「Cost of living」
ドイツ留学に必要なドイツ語レベルはB2が目安
ドイツ留学でドイツ語が求められる場面
ドイツの高等教育機関の大半は、授業言語がドイツ語です。
そのため多くの機関が、欧州言語共通参照枠(CEFR)のB2以上のドイツ語力を求めるとされています。
出願時に語学証明を出すか、現地の語学試験を受けて証明する形です。
英語で行われる国際課程や大学院課程は、この要件から外れます。
その場合に代わりに要るのは、英語力の証明です。
1学期か2学期だけの交換留学なら、語学証明を免除されることがあるとも書かれています。
ドイツ留学で認められているドイツ語試験
DAADの言語ページに、認められている試験が並んでいます。
- ✓ TestDaF(世界およそ100か国で受験でき、母国で受けられます)
- ✓ DSH(ドイツ国内で受験する必要があり、多くの大学が実施しています)
- ✓ Goethe-Zertifikat C2
- ✓ telc Deutsch C1 Hochschule
- ✓ 常設文部大臣会議のドイツ語ディプロム(レベルII)
- ✓ 課程によっては Goethe-Zertifikat B2・C1 と ÖSD Zertifikat B2・C1
TestDaFとDSHは、読解・聴解・発信の複数のセクションで構成されます。
すべてのセクションで中級(intermediate)以上に届けば、大半の課程の語学要件を満たす水準です。
ドイツ語で授業を行う在外のドイツ人学校で修了資格を取った人は、語学試験そのものが免除されます。
受験料については、DSHは実施機関によって、TestDaFは受験する国によって違います。
この段落の一次ソース:ドイツ学術交流会(DAAD)「The German language」
ドイツ留学の出願先とStudienkollegが必要になる人
ドイツ留学の出願書類をどこへ出すか
DAADの要件ページに、出願先の分岐が整理されています。
EU・EEA出身者が全国一律の入学制限のある課程へ出す場合は、大学入学財団(Stiftung für Hochschulzulassung)が担当します。
全国一律の制限がかかっている課程は、医学・薬学・獣医学・歯学です。
EU・EEA以外の国から出願する人は、入学制限の種類にかかわらず uni-assist か志望校へ直接出します。
日本から出願する場合は、この後者です。
必要書類と手続きは、志望校の国際課(International Office)が案内します。
ドイツ留学でStudienkollegに通うことになる条件
EU・EEA・スイスの修了証書でその国の大学に進めるなら、ドイツでも進学資格があるとされています。
それ以外の国の修了証書の場合、母国で2〜3学期の同等の課程を終えているか、Studienkollegに通う必要があります。
国際バカロレア(IB)や在外ドイツ人学校のアビトゥアを持つ人は、この要件の対象外です。
実技審査や適性試験だけで入学できる一部の芸術系の課程も、同じく外れます。
Studienkollegの授業はドイツ語で行われ、入学時点でCEFRのB1〜B2が求められます。
入学試験の合格も必要です。
2学期のStudienkollegを終えたあと、Feststellungsprüfung(資格認定試験)に合格する必要があります。
この合格が、大学入学資格として扱われます。
Studienkollegは、ほぼすべての州に設置ずみです。
大学には、同じ州のStudienkollegを終えた学生を優先する枠がある場合があると説明されています。
この段落の一次ソース:ドイツ学術交流会(DAAD)「Requirements overview」
ドイツ留学の健康保険は全員必須、30歳未満は月120〜130ユーロ
ドイツ留学で健康保険が要る理由
ドイツでは、すべての人が健康保険に入らなければなりません。
留学生は、登録時か、国によってはビザ申請時に、ドイツの基準を満たす保険の証明を出す必要があります。
この義務は、進学準備コースやStudienkollegの参加者にも及びます。
保険は公的保険(gesetzliche Krankenversicherung)と民間保険(private Krankenversicherung)の2種類です。
民間のほうが給付は手厚いが、費用が大きく前払いも必要だと説明されています。
公的保険には基本プランの提供義務があり、この基本部分はどこを選んでも同じ内容です。
ドイツ留学の健康保険の金額と30歳の区切り
30歳未満の学生は、公的保険の学生料金で月およそ120〜130ユーロです。
30歳に達すると、在学中であっても通常の保険料に切り替わると明記されています。
この通常の保険料は、民間保険の学生向けプランより高くなることが多いとされています。
そのため30歳以上は、民間保険も比べたほうが安全です。
入学登録をすると、大学の事故保険にも自動的に加入します。
ただし事故保険は、個人の健康保険の代わりにはなりません。
EU・EEA出身で公的保険に入っている人は、母国の保険を認めてもらえる場合があります。
その場合は欧州健康保険カード(EHIC)と、ドイツの公的保険に入る義務が無いことの証明書が必要です。
有給インターンやアルバイトをする場合は、母国の保険では足りず、ドイツの事業者の保険が必要になります。
ドイツ留学中のアルバイトは年120日または240半日まで
ドイツ留学中に働ける日数
ドイツ外務省のFAQに、学業中の就労について書かれています。
留学中に認められる有給労働は、原則として年120日のフルタイム、または240日のハーフタイムです。
これに加えて、小規模な学生アルバイト(small student jobs)も認められます。
ただし例外的な事情がある場合、現地の外国人局がさらに制限を課すことがあると明記されています。
つまり日数は上限であって、保証ではないという書き方です。
ドイツ留学で就労を先に始める場合の注意
在米ドイツ公館のページに、重要な但し書きがあります。
到着直後に就労(仕事・インターン・研究)を始める予定がある場合は、事前のビザ取得が必要です。
理由は、就労許可を持たないままドイツで働き始めることはできないからだと説明されています。
この場合のビザに含まれるのは、就労許可です。
有給インターンを組み込む留学を考えている人は、ここが分かれ目になります。
この段落の一次ソース:ドイツ外務省 FAQ「Studying in Germany」
【調べてわかったこと】ドイツ留学の公式ページに並ぶ「ビザ不要」と「事前申請を求められることがある」
ドイツ留学で日本人が一番つまずきそうな一文
日本の情報だけを読んでいると、「日本人はビザが要らない」で話が終わりがちです。
ところがドイツ外務省側の英語ページには、その直後にもう1つ条件が書かれていました。
一部のドイツの外国人局は、上に挙げた国籍の人に対しても事前のビザ申請を求めることがあります。
理由として、滞在許可の申請が集中していて予約枠が取れないことが挙げられています。
これは「ビザ免除」と「実務上ビザを取ってきてほしい」が同じページに同居している状態です。
どちらが適用されるかは、住む予定の自治体の外国人局によって変わる、という読み方になります。
ドイツ留学の申請窓口が日本国内で分かれている点
申請窓口は、地域で分かれています。
新潟県・長野県・静岡県以東の各県に住んでいる人は、大使館の領事課で手続きをします。
以西にあたる富山県・岐阜県・愛知県などにお住まいなら、窓口は総領事館の法務領事部です。
大使館の管轄に住んでいる人は、大阪・神戸の総領事館では申請できないと明記されています。
また申請は、居住地を管轄する在外公館にしか出せません。
来日して6か月以内の人や、日本の在留資格を持たない人は、以前住んでいた場所の在外公館で申請するよう案内されています。
ビザ情報システム(VIS)の運用により、申請者は生体認証データの採取のため在外公館へ出向く必要があるとも書かれています。
採取されるのは10本の指の指紋と顔写真です。
審査中、パスポートは在外公館で保管されます。
審査中にパスポートが必要な場合は、申請時に理由を説明する書面(ドイツ語か英語)を出す必要があります。
ドイツ留学の金額が1か所にまとまっていない理由
読み比べて分かったのは、決定権が分散している構造です。
ビザの発給は在外公館、承認は大学のある町の外国人局、入学判定は大学、授業料は州が決めています。
そのため「ドイツ全体で一律いくら」と言える数字が、資金証明の月992ユーロくらいしかありません。
授業料もセメスター寄与金も、幅でしか公表されていないのはこのためです。
金額を確定させたいなら、志望校と住む町を決めてから調べるのが順番になります。
ブロック口座の金額については、滞在目的ごとに在外公館のサイトか領事サービスポータルで確認するように、と誘導されています。
この段落の一次ソース:ドイツ外務省「Opening and closing a blocked bank account (Sperrkonto)」
ドイツ留学の申請前に確認する7つのこと
ドイツ留学のチェックリスト
- ✓ 1. 滞在が90日を超えるか。超えるなら滞在許可の申請が要ります
- ✓ 2. 住む予定の町の外国人局が、事前のビザ申請を求めていないか
- ✓ 3. 到着直後に有給の仕事やインターンを始める予定があるか。あるなら事前のビザが要ります
- ✓ 4. 資金証明を、両親の収入・保証書・ブロック口座・銀行保証・奨学金のどれで出すか
- ✓ 5. 志望校の授業言語がドイツ語か英語か。ドイツ語ならB2の証明が要ります
- ✓ 6. 修了証書がドイツの大学入学資格として認められるか。認められないならStudienkollegが要ります
- ✓ 7. 健康保険をどこで用意するか。30歳以上なら民間保険との比較が要ります
ドイツ留学の準備で先に決めておくこと
この7つのうち、1・3・7は出発前に自分で答えを出せます。
2・4・5・6は、志望校と住む町が決まらないと答えが出ません。
だから順番としては、志望校を絞るところが最初になります。
ドイツ外務省のFAQが大学と課程の検索に挙げているのは、Higher Education Compass です。
奨学金については、外務省は直接支給せず、独立した仲介団体に任せています。
名前が挙がっているのは、DAAD、ドイツ研究振興協会、フリードリヒ・エーベルト財団、フリードリヒ・ナウマン財団です。
ほかにハンス・ザイデル財団、ハインリヒ・ベル財団、カトリック学術交流会、コンラート・アデナウアー財団、ローザ・ルクセンブルク財団が挙げられています。
研究者向けには、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団が案内されています。
この段落の一次ソース:ドイツ外務省 FAQ「Studying in Germany」
ドイツ留学についてよくある質問
ドイツ留学に観光ビザで行って、あとから切り替えられますか
観光ビザを後から学生ビザに変えることはできません。
日本国籍の場合はそもそもビザ免除での入国になりますが、90日を超えるなら滞在許可の申請が別に必要です。
入学準備ビザについては、ドイツ国内で就学目的の滞在許可へ切り替えられます。
ドイツ留学の学費は本当に無料ですか
州立の高等教育機関の学士課程と大半の修士課程には、授業料がありません。
ただしバーデン=ヴュルテンベルク州はEU域外の学生に1学期1,500ユーロを課しています。
そしてセメスター寄与金70〜430ユーロは、州を問わず全学生が毎学期支払う費用です。
「授業料が無い」と「費用がかからない」は別だ、という整理になります。
ドイツ留学に英語だけで行けますか
英語で行われる国際課程や大学院課程では、ドイツ語の証明が免除されます。
その場合に出すのは、英語力の証明です。
ただし日常生活では、ドイツ語ができると過ごしやすさが大きく変わります。
ドイツ留学中に家族を呼べますか
ドイツ外務省のFAQに、留学生の家族呼び寄せの条件が書かれています。
学生が滞在許可を持っていること、その許可が出た時点で婚姻が成立していたこと、滞在が1年を超える見込みであることが条件です。
さらに、公的扶助に頼らずに自分と家族を支えられることが条件とされています。
家族は、管轄のドイツ在外公館で家族呼び寄せのビザを申請する必要があります。
ドイツ留学で日本の学位は認めてもらえますか
大学入学や上級課程への進学については、各大学が判定します。
国別の評価の推奨を出しているのは、常設文部大臣会議の外国教育情報センター(ZAB)です。
職業に就くための資格の承認は、住む州の承認機関(Anerkennungsstellen)が担当します。
ZABは2010年1月4日から、私人向けの資格評価(承認ではありません)も提供しています。
ドイツ留学のビザ申請はオンラインでできますか
多くの国では、国際ポータルからオンラインで学生ビザを申請できます。
対応していない国の場合の窓口は、母国のドイツ大使館または領事館です。
なお在日ドイツ大使館では、原則として申請日当日に有効なパスポート原本の提示が求められます。
ドイツ留学に必要な書類は何ですか
DAADのページに、通常必要とされる書類が並んでいます。
- ✓ 有効なパスポート
- ✓ 健康保険の証明
- ✓ 十分な資金の証明
- ✓ これまでの学歴と語学力の記録
- ✓ 該当する場合は、高等教育機関からの入学許可
- ✓ 入学準備ビザの場合は、認められた大学入学資格
- ✓ 場合により履歴書
- ✓ 場合により志望理由書
正確な必要書類は、各在外公館のサイトに載っています。
この段落の一次ソース:ドイツ学術交流会(DAAD)「Visas」
ドイツ留学のこの記事を書いた人について
留学の経験あり
留学を経験した立場から、この記事を書いています。
経験は読み方の助けにはなりますが、根拠にはしていません。
情報源は各国政府と公的機関の公開ページ
この記事の事実は、公開されているページだけを根拠にしています。
使ったのは、ドイツ外務省、在日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館、ドイツ学術交流会(DAAD)が公開しているページです。
留学エージェントや個人の体験記は、一次ソースとして使っていません。
特定の事業者からの報酬は無し
この記事には、特定の留学事業者への紹介リンクを置いていません。
記事の中のリンクは、政府機関と公的機関のページだけです。
ドイツ留学のまとめ|向いている人・向いていない人
ドイツ留学が向いている人
- ✓ 授業料そのものを抑えて、学位の取得に集中したい人
- ✓ ドイツ語をB2まで持っていける、または英語課程に絞れる人
- ✓ 年11,904ユーロの資金証明を用意できる人
- ✓ 役所の手続きを自分で調べて進めるのが苦にならない人
ドイツ留学が向いていない人
- ✓ 到着してすぐ働いて学費を賄う計画の人(就労予定があるなら事前のビザが要ります)
- ✓ 出発まで数週間しかない人(ビザに数か月かかることがあると案内されています)
- ✓ すべての費用を出発前に1つの数字で確定させたい人(州と大学で変わります)
ドイツ留学の最終確認は公式ページで
資金証明の基準額は2025年1月に改定されたばかりで、今後も変わる可能性があります。
授業料とセメスター寄与金は、州と大学ごとに決まります。
申請の前には、志望校のサイトと管轄の在外公館のページを必ずご確認ください。
査証の発給と入国の可否は、ドイツ政府の判断によります。
この段落の一次ソース:ドイツ学術交流会(DAAD)「Requirements overview」
\日本からの申請先を確かめる/
90日を超えるなら滞在許可の申請が別に要ります
あわせて読みたい:マルタ留学は90日までなら就学の査証が要らない話も、90日を境に手続きが変わる同じ形です。↓

参考元:ドイツ外務省 FAQ「Studying in Germany」/ドイツ外務省・在米ドイツ公館「Study and Scientific Research」/ドイツ外務省「Opening and closing a blocked bank account (Sperrkonto)」/ドイツ学術交流会(DAAD)「Visas」/ドイツ学術交流会(DAAD)「Costs of education and living」/ドイツ学術交流会(DAAD)「Requirements overview」/ドイツ学術交流会(DAAD)「Healthcare and Health Insurance」/ドイツ学術交流会(DAAD)「The German language」/Study in Germany(DAAD運営)「Proof of financing」/Study in Germany(DAAD運営)「Cost of living」/在日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館「ビザ・各種申請手続き」
免責:本記事は各国政府および公的機関が公開している情報を整理したものです。査証の発給および入国の可否は各国政府の判断によります。条件・手数料・要件は変更されることがありますので、最終的な判断の前に必ず公式サイトでご確認ください。
Comments