マルタ留学は「手続きが軽い」と紹介されることが多い留学先です。
でも、なぜ軽いのかまで書いてある記事は、あまり見かけません。
先に結論を書きます。
マルタ留学の手続きが軽いのは、マルタが親切だからではありません。
EUの規則で、日本の旅券を持つ人が短期滞在の査証を免除されているからです。
その免除の範囲は「180日のうち合計90日まで」と条文に書かれています。
つまりマルタ留学は、90日という線の内側と外側で、必要なものがまるごと変わります。
留学を経験した立場から、公的な情報だけで整理します。
この記事では、EUの規則の原文と、マルタ政府の身分証明局(Identità)と、語学学校を認可しているELT Councilの公式ページを、2026年9月8日の同じ日に当たりました。
公式に書かれていなかったことは、書かれていなかったとそのまま残します。
■先にこの記事の結論
- ✓ マルタ留学は90日以内なら、就学のための査証を取らずに行ける
- ✓ 根拠はEU規則2018/1806の附属書IIに日本が含まれていること
- ✓ 90日を超えるなら、マルタ側の居住許可の手続きが必要になる
- ✓ 語学学校は国のライセンス制で、認可校の一覧が公開されている
- ✓ 費用の相場を公表している公的機関は見つからなかった
マルタ留学が「手続きが軽い」と言われる理由は、90日の査証免除にあります
マルタはEUの加盟国で、シェンゲン圏に入っています。
そのため、マルタに入るときのルールはマルタ独自のものではなく、EU共通のルールで決まっています。
マルタ留学の90日という数字は、EUの規則の条文に書かれています
EUの規則(Regulation (EU) 2018/1806)の第4条第1項には、附属書IIに掲げる第三国の国民は「180日のうち90日を超えない滞在」について査証の要件が免除される、と書かれています。
そしてその附属書IIの国のリストに、日本が入っています。
これがマルタ留学の90日の正体です。
マルタ留学の「90日」は入国日から単純に3か月ではありません
EUの説明では、この90日は「180日ごとに合計90日」という数え方をします。
180日の数え方は、シェンゲン圏のいずれかの国に入った日から始まります。
直前に他のヨーロッパの国を旅行していた場合、その日数も同じ枠に入るという点は見落としやすいところです。
マルタ留学で査証が免除されるのは「短期滞在」だけです
査証が免除されるのは短期滞在であって、就労や長期の滞在は別の枠組みです。
90日以内であっても、働くことが自由になるわけではありません。
制度の免除の範囲を、自分に都合よく広げて読まないことが大事です。
マルタ留学でも、今後はETIASの手続きが加わる見込みです
EUは、査証が免除されている国からの渡航者に対して、事前の渡航認証(ETIAS)を求める仕組みを準備しています。
開始時期や手数料は変わる可能性があるため、渡航が近づいたらEUの公式ページで最新の状態を確認してください。
この段落の一次ソース:Regulation (EU) 2018/1806(EUR-Lex) 第4条第1項・附属書II/European Commission 査証政策/EU公式 EES・ETIAS案内/2026年9月8日取得
マルタ留学で最初に決めるのは、90日の内側にするかどうかです
行きたい期間から決めるのではなく、線のどちら側にするかから決めます。
マルタ留学を90日以内にすると、必要な手続きは渡航の書類だけになります
この範囲であれば、就学のための許可を別に申請する必要はありません。
学校の申し込みと、航空券と、滞在先と、保険で足ります。
マルタ留学を90日超にすると、マルタ側の許可の手続きが加わります
滞在するための許可を、マルタの当局に申請することになります。
申請の窓口は、マルタ政府の身分証明局であるIdentitàです。
マルタ留学の日数別に必要になるもの(2026年9月8日時点)
| 滞在の長さ | 就学のための査証・許可 | 主に必要になるもの | 出典 |
|---|---|---|---|
| 90日以内(180日のうち) | 不要(査証免除) | 旅券、滞在先、保険、帰りの航空券 | EUR-Lex 2018/1806 |
| 90日超 | マルタの居住許可の申請が必要 | 受入機関の書類、資金の証明、医療保険、申請料 | Identità |
マルタ留学の期間は、学校の都合ではなく制度の線で決めます
学校は「何週間でも受け入れます」と言ってくれます。
ですが90日を1日でも超えた瞬間に、手続きの重さが変わります。
迷ったら、まず90日以内で組んでみることをおすすめします。
マルタ留学で90日を超えるときに必要になる居住許可の条件
Identitàの公式ページに書かれている内容を、そのまま並べます。
マルタ留学の居住許可は、申請の期限が決まっています
Identitàのページには、査証が免除されている第三国国民は「EU域内に入国した日から3か月以内に居住許可の申請を提出しなければならない」と書かれています。
つまり現地に着いてから、のんびり考える時間はありません。
マルタ留学の居住許可の申請料は公表されています
同じページには、就学・研究・研修の申請について申請料が示されており、その額は50ユーロと書かれていました。
ボランティアについては無料と記載されています。
金額は変わることがあるので、申請の直前に公式ページで確認してください。
マルタ留学の居住許可は、原則1年またはコース期間の短いほうです
Identitàの案内では、初回の就学目的の居住許可は1年、またはコースがそれより短い場合はその期間となる旨が説明されています。
長期の課程でも、一度に何年分も出るわけではありません。
マルタ留学の居住許可には、資金の証明と医療保険が要ります
資金については、世帯の規模に応じた基準額の60パーセント以上を、就学期間に応じて按分した額を示す必要があると説明されています。
医療保険については、マルタでの治療と入院について最低10万ユーロの補償がある私的な医療保険が求められると書かれていました。
保険は「入っていればよい」ではなく、補償額まで見られるということです。
マルタ留学の居住許可の対象は、高等教育の課程と書かれています
Identitàの説明では、対象となるのは所定の機関に受け入れられ、認められた資格につながるフルタイムの課程です。
課程の水準についても、一定以上であることが条件として挙げられています。
この点は、後述の「調べてわかったこと」で詳しく書きます。
この段落の一次ソース:Identità|Study, Research, Trainees, Volunteers & Interns/Identità|よくある質問(就学)/2026年9月8日取得
マルタ留学の語学学校は、国のライセンス制です
ここがマルタ留学のいちばん使いやすいところです。
学校選びで、公的に確かめられる材料があります。
マルタ留学の語学学校にはELT Councilのライセンスが要ります
マルタで英語を教える語学学校(ELT=English Language Teaching schools)は、ELT Councilのライセンスを受けて運営されています。
ELT Councilは、教育の質と学習者の保護のために学校を監督している公的な組織です。
マルタ留学の学校が認可校かどうかは、自分で確認できます
ELT Councilは、認可を受けている学校の一覧を公開しています。
申し込みを決める前に、その学校名が一覧にあるかどうかを自分の目で確認してください。
これは費用も時間もかからず、誰でもできる確認です。
マルタ留学の学校の「認可あり」は品質の保証ではありません
一覧に載っていることは、ライセンスを受けているという事実を示すだけです。
授業が自分に合うかどうかは、また別の話です。
認可の有無を、良し悪しの評価に読み替えないようにしてください。
マルタ留学で一覧に無い学校を見つけたら、理由を聞きます
名前が見当たらない場合は、正式な学校名が違う可能性もあります。
エージェントに「ELT Councilのライセンス名は何ですか」と聞けば、はっきりします。
この段落の一次ソース:ELT Council(マルタ)/認可ELT校の一覧/2026年9月8日取得
マルタ留学の90日を数え間違えないための3つの注意点
90日の数え方は、思っているより厳密です。
ここを間違えると、出発前ではなく現地で困ることになります。
マルタ留学の90日は、直前のヨーロッパ旅行も同じ枠に入ります
シェンゲン圏は、複数の国が国境の管理を共通にしている枠組みです。
そのため、マルタに入る前にフランスやイタリアに滞在していた日数も、同じ90日の枠として数えられます。
「マルタでの日数だけ」で数えると、足りなくなることがあります。
マルタ留学の180日は、固定された期間ではありません
180日は、1月から始まる期間でも、入学日から始まる期間でもありません。
過去にさかのぼって数える、動く期間です。
つまり「どの180日を切り取っても、その中の滞在日数が90日以内であること」が条件になります。
マルタ留学の日数は、入国日と出国日を両方数えます
入った日と出た日は、どちらも滞在した日として数えるのが一般的な運用です。
ぎりぎりで組むと、1日ずれただけで超えてしまいます。
余裕を持って85日程度に収めておくと、日程が動いても安全です。
マルタ留学で90日を超えそうなときは、出発前に決着させます
現地に着いてから延長を考えるのは、いちばん難しい進め方です。
Identitàの案内では、査証免除の第三国国民は入域から3か月以内に居住許可の申請を出す必要があると書かれています。
超える可能性があるなら、出発前に学校とIdentitàの両方へ確認してください。
この段落の一次ソース:Regulation (EU) 2018/1806(EUR-Lex) 第4条第1項/Identità/2026年9月8日取得
マルタ留学と他の英語圏では、線の引き方そのものが違います
同じ「語学留学」でも、国によって制度の設計が違います。
比べるときは、金額ではなく線の引き方から比べてください。
マルタ留学は「90日」、イギリスは「6か月」で線が引かれています
英国政府のページでは、英語コースが6か月以下ならVisitor visaで対応し、6か月を超えて11か月以内ならShort-term study visaを申請すると案内されています。
マルタは90日、イギリスは6か月。
同じ英語圏でも、許可なしで学べる長さが倍以上違います。
マルタ留学の線は「国」ではなく「圏」で決まっています
イギリスの6か月は、イギリスが自国の制度として決めているものです。
マルタの90日は、EUの規則で決まっているものです。
決めている主体が違うので、マルタだけが特別に条件を緩めることはできません。
マルタ留学と他国の比較(許可なしで学べる長さ・2026年9月8日時点)
マルタ留学を選ぶ判断は、90日で足りるかどうかで決まります
3か月で足りるなら、マルタは手続きがいちばん軽い選択肢のひとつです。
半年学びたいなら、最初から6か月の枠がある国を見るほうが早いです。
期間の希望を先に固めてから国を選ぶと、この判断は一瞬で終わります。
この段落の一次ソース:Regulation (EU) 2018/1806(EUR-Lex)/GOV.UK|Short-term study visa/2026年9月8日取得
マルタ留学の費用は「必ず払う額」と「学校で変わる額」に分けます
金額の話を1つにまとめると、比べられなくなります。
マルタ留学で必ず払う額は、90日以内ならほとんどありません
90日以内であれば、就学のための査証の申請料は発生しません。
90日を超える場合に、居住許可の申請料として50ユーロが公表されています。
マルタ留学で学校によって変わる額は、比べる価値があります
授業料、滞在費、教材費、送迎、入学金がここに入ります。
学校ごとに条件が違うので、同じ週数・同じ滞在形態でそろえて比べてください。
マルタ留学の見積もりは、必ず週数をそろえて比べます
4週間と1か月は、同じではありません。
見積もりを比べるときは、週数と授業のコマ数をそろえるのが基本です。
マルタ留学の保険は、金額よりも補償の中身で選びます
90日を超えて居住許可を申請する場合は、補償額の条件があります。
90日以内でも、医療費は日本の感覚では収まりません。
日本の公的医療保険には海外療養費という仕組みがありますが、日本国内の治療費を基準に計算されるため、現地で払った額がそのまま戻るとは限りません。
マルタ留学の準備は、この順番で進めると詰まりません
順番を間違えると、やり直しが発生します。
マルタ留学は、滞在日数を決めるところから始めます
90日以内か、90日超か。
ここが決まらないと、他が何も決まりません。
マルタ留学の学校は、認可の確認をしてから申し込みます
ELT Councilの一覧で名前を確認してから、見積もりを取ります。
順番を逆にすると、気に入ってから確認することになって、判断が鈍ります。
マルタ留学の航空券は、学校の入学許可のあとに買います
先に航空券を買うと、日程が動かせなくなります。
マルタ留学の前に、外務省への登録も済ませます
3か月未満の渡航なら外務省の「たびレジ」、3か月以上なら在留届です。
渡航先の安全情報も、同じ外務省のページで確認できます。
この段落の一次ソース:外務省 海外安全ホームページ/外務省 たびレジ/2026年9月8日取得
【調べてわかったこと】マルタ留学で90日を超える語学留学の手続きと、事前に確かめる先
90日を超えて語学学校に通う予定の人は、ここを先に読んでください。
マルタ留学の居住許可の説明は、高等教育の課程を前提に書かれています
Identitàの就学目的の居住許可の説明は、認められた機関のフルタイムの課程を対象にしています。
一方で、語学学校(ELT)を認可しているのはELT Councilという別の枠組みです。
この2つが、公式ページの上ではつながっていませんでした。
マルタ留学で「語学学校に90日超通う場合」は公式ページに明記なし
2026年9月8日時点で、Identitàのページにも、ELT Councilのページにも、語学学校に90日を超えて通う場合の手続きを明示した記載はありません。
マルタ留学で90日を超えたい場合は、必ず事前に問い合わせてください
この点は推測で埋めるべきではありません。
学校に「90日を超える受講の場合、滞在の手続きはどうなりますか」と直接確認するのが確実です。
その回答が公式の根拠を示していない場合は、Identitàに直接照会してください。
【調べてわかったこと】マルタ留学の費用の相場は、公的には公表されていません
金額の情報源についても、確認できたことを書きます。
マルタ留学の授業料や滞在費の目安を出している公的機関はありませんでした
今回確認した範囲では、マルタ政府もEUも、語学留学の費用の目安を公表していませんでした。
公表されているのは、居住許可の申請料のような、国に払う額だけです。
マルタ留学の「相場」はすべて民間の情報です
比較サイトやエージェントが出している金額は、公的な統計ではありません。
参考にするのは構いませんが、根拠の種類が違うことは知っておいてください。
マルタ留学の費用は、自分で見積もりを3件そろえるのがいちばん早いです
相場を探すより、同じ条件で3件取ったほうが実態に近づきます。
マルタ留学を申し込む前に確認する7つのこと
契約する前に、この7つを自分で確認してください。
1|マルタ留学の滞在が、180日のうち90日の枠に収まっているか
2|直前3か月のヨーロッパ滞在を、90日の枠に足して数えたか
3|マルタ留学の学校がELT Councilの認可校一覧に載っているか
4|マルタ留学の見積もりの週数・コマ数が、他校とそろっているか
5|マルタ留学の保険が、滞在期間を切れ目なくカバーしているか
6|マルタ留学の契約書に、中途解約と返金の条件が書かれているか
7|マルタ留学のトラブル相談先(国民生活センター)を知っているか
留学のあっせんに関する相談事例は、国民生活センターのサイトで公開されています。
契約の前に読んでおくと、どこで揉めるのかが具体的に分かります。
マルタ留学のこの記事を書いている人について
留学を経験しています
私自身、留学を経験した立場からこの記事を書いています。
制度のどこで迷うのかは、身をもって知っています。
この記事の情報は、EUとマルタ政府と日本の省庁の公式ページから取りました
EUR-Lexの規則原文、欧州委員会、マルタのIdentità、ELT Council、日本の外務省・厚生労働省・国民生活センターのページを、2026年9月8日に確認しています。
特定の事業者から報酬を受け取っていません
この記事には、留学事業者や語学学校へのアフィリエイトリンクを1本も置いていません。
マルタ留学のよくある質問
マルタ留学にビザは必要ですか
180日のうち90日以内の滞在であれば、EUの規則により査証は免除されています。
90日を超える場合は、マルタの居住許可の手続きが必要になります。
マルタ留学の90日は、どこから数えますか
シェンゲン圏に入った日から始まる180日の中で、合計90日という数え方です。
マルタに入った日からの3か月ではない点に注意してください。
マルタ留学の前にヨーロッパを旅行しても大丈夫ですか
旅行した日数も同じ90日の枠に入ります。
先に旅行してから語学学校に通う予定なら、合計で数えてください。
マルタ留学で語学学校に半年通えますか
90日を超えるため、滞在の手続きが別に必要になります。
学校とIdentitàの両方に、事前に確認してください。
マルタ留学の学校が認可校かどうかは、どこで分かりますか
ELT Councilが認可校の一覧を公開しています。
一覧のページで学校名を確認できます。
マルタ留学中にアルバイトはできますか
短期滞在の査証免除は、就労を認めるものではありません。
就労の可否は滞在の資格ごとに決まるため、必ずマルタの当局の案内で確認してください。
マルタ留学の保険はいくらの補償が必要ですか
90日を超えて居住許可を申請する場合、マルタでの治療と入院について最低10万ユーロの補償が求められると、Identitàの案内に書かれています。
マルタ留学に奨学金はありますか
日本学生支援機構(JASSO)が海外留学向けの支援制度の情報をまとめています。
対象や申請時期が細かく決まっているので、JASSOの海外留学のページで確認してください。
マルタ留学のまとめ|90日の線を先に決めると、準備は一気に軽くなります
マルタ留学が行きやすいのは、EUの規則で日本の旅券が短期滞在の査証免除に入っているからです。
その範囲は180日のうち90日で、これは自分では動かせません。
マルタ留学が向いているのはこういう人です
3か月以内で、手続きを最小限にして英語圏に行きたい人。
学校の認可を自分で確認してから決めたい人。
マルタ留学より他の国を検討したほうがよい場合もあります
半年以上まとまって学びたい人は、就学の枠組みがはっきりしている国のほうが準備しやすいです。
働きながら滞在したい人も、別の制度を調べたほうが早いです。
マルタ留学の最終確認は、必ず公式ページで行ってください
この記事の金額と条件は2026年9月8日時点のものです。
EUとマルタの制度、手数料は変わります。
最新の情報は、必ずEUおよびマルタ政府の公式ページでご確認ください。
情報確認日:2026年9月8日
参考元:Regulation (EU) 2018/1806(EUR-Lex)/European Commission 査証政策/EU公式 EES・ETIAS案内/Identità(マルタ)就学等の非就労許可/Identità よくある質問(就学)/ELT Council/ELT Council 認可校一覧/外務省 海外安全ホームページ/外務省 たびレジ/JASSO 海外留学/厚生労働省/国民生活センター/GOV.UK|Short-term study visa
免責:本記事はEUおよびマルタ政府、日本の省庁が公開している情報を整理したものです。滞在の可否および許可の発給は各当局の判断によります。手数料・条件は変更されることがありますので、最終的な判断の前に必ず公式サイトでご確認ください。

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